はじめに:コウイカ釣りの魅力とは
エギングといえばアオリイカが注目されがちですが、コウイカ(甲イカ)は実は非常に魅力的なターゲットです。エギング経験の中で、私が最も夢中になったのがこのコウイカ釣りでした。その理由は明白です。アオリイカとは全く異なる引きの強さ、そして何より食味の良さは格別なのです。
コウイカの生態と釣れる時期を徹底解説
コウイカの基本的な生態
コウイカ(学名:Sepia esculenta)は、アオリイカとは異なる生活パターンを持っています。体長は15~30cm程度で、甲羅のような硬い内殻を持つのが特徴です。海底近くを好み、砂泥底や岩礁帯の境界部分に生息しています。

ベストシーズンは春と秋
私の経験上、コウイカが最も活発に捕食するのは以下の時期です:
春シーズン(3月~6月)
- 産卵期に向けて積極的に捕食
- 水温上昇とともに活性が向上
- 特に4月中旬~6月上旬がピーク
秋シーズン(10月~12月)
- 越冬に向けた荒食い期
- 小魚の群れを追って浅場に接岸
- 11月が最も安定した釣果が期待できる
釣り場選びの黄金ルール
水深と底質がカギ
経験で学んだ最も重要なポイントは、コウイカは水深5~15mの砂泥底と岩礁の混在エリアを好むということです。具体的には:
- 漁港の船道周辺:船の航行で底が撹拌され、餌となる小魚やエビが豊富
- 河口部の汽水域:栄養豊富で小魚が集まりやすい
- 藻場の周辺:隠れ家となる岩礁と砂地の境界部分
潮流の読み方
コウイカは適度な潮流を好みます。潮が止まった状態よりも、緩やかに流れている状況の方が高確率で釣果に結びつきます。
エギ選択の新常識:サイズよりもカラーが重要
推奨エギサイズ
アオリイカ用の3.0~3.5号では大きすぎることが多く、コウイカには以下のサイズが効果的です:
- メインサイズ:2.5~3.5号
- 活性が低い時:2.0~2.5号
- 大型狙い:3.0~3.5号
実績カラーローテーション
実釣データから導き出したカラーローテーションをご紹介します:エギの下地は早朝・夕方夜
朝マズメ(薄暗い時間帯)
- オレンジ系(視認性重視)
- ピンク系(アピール力大)
- 白系(明度の変化に対応)
日中(明るい時間帯)
- 茶系・エビ茶系(ナチュラル)
- グリーン系(海藻を模倣)
- 青系(海の色に同化)
夕マズメ(薄暗くなる時間帯)
- 赤系(夕日の反射を利用)
- オレンジ系(視認性確保)
- 夜光系(光量減少に対応)
アクションテクニック:コウイカ専用メソッド
基本アクション「スローリフト&フォール」
アオリイカのような激しいダートアクションは逆効果です。コウイカには以下のアクションが効果的:
- ロッドを45度程度ゆっくりと持ち上げる(3秒かけて)
- 糸ふけを取りながらフォール(5秒程度)
- 着底を感じたら2秒ステイ
- 再びリフト開始
応用テクニック「ボトムステイ」
コウイカは底付近で捕食することが多いため、着底後のステイ時間を長めに取るのがポイントです。特に活性が低い時期には、10~15秒のロングステイが効果的です。
新発見テクニック「微細震動」
これは私独自の発見なのですが、着底後にロッドティップで微細な震動を与えると、コウイカの捕食スイッチが入ることがあります。大きな動きではなく、手首だけで5mm程度の震動を3~5回繰り返します。
仕掛けとタックルセッティング
ロッド選択のポイント
コウイカエギングには以下の特性を持つロッドが最適です:
- 長さ:7.9~8.6ft(遠投性と操作性のバランス)
- 硬さ:ML~M(繊細なアタリを感知できる程度の柔軟性)
- 調子:レギュラーファースト(穂先の感度と胴の粘りを両立)
リール&ライン設定
リール
- サイズ:2500~3000番
- ギア比:ノーマルギア(巻き取り量よりもパワー重視)
メインライン
- PEライン:0.6~0.8号
- 150m以上巻いておく
リーダー
- フロロカーボン:1.5~2.0号
- 長さ:1.5~2.0m
時間帯別攻略法
朝マズメ(日の出前後1時間)
この時間帯はコウイカの活性が最も高くなります。表層付近まで浮上してくることもあるため、中層からのアプローチも有効です。
攻略ポイント
- エギのフォール時間を短めに設定
- カウントダウンで中層もチェック
- アタリが集中する時間帯なので集中力を維持
日中(9時~15時)
日中は底べったりになることが多く、最も技術が要求される時間帯です。
攻略ポイント
- ボトムステイを長めに取る
- エギサイズを小さめにする
- 地形変化のあるポイントを重点的に攻める
夕マズメ(日没前後1時間)
朝マズメに次いで期待できる時間帯です。水温低下とともに活性が上がります。
攻略ポイント
- 浅場への回遊を意識してポイント移動を頻繁に行う
- 夜光系エギの準備をしておく
- 最後のチャンスタイムとして集中して臨む
アタリの取り方とやり取りのコツ
コウイカ特有のアタリパターン
コウイカのアタリはアオリイカとは明らかに異なります:
- コツコツアタリ:エギを触るような小さなアタリ
- モゾモゾアタリ:ラインがゆっくりと引っ張られる感覚
- ズシッとアタリ:明確な重量感(これは確実にフッキング)
やり取りの注意点
コウイカは甲羅が硬いため、アオリイカよりもバラシにくいのが特徴です。しかし以下の点に注意が必要:
- 急激な引きに対応できるよう、ドラグはやや緩めに設定
- 底に潜られないよう、フッキング後は素早く浮上させる
- 取り込み時は甲羅の部分を持つと安全
まとめ:コウイカエギング上達への道筋
エギング経験の中で、コウイカ釣りほど奥深く、技術的な面白さがあるターゲットはありません。アオリイカとは全く異なるアプローチが必要で、それこそがコウイカエギングの醍醐味です。
最も重要なのは以下の3点です:
- 釣り場選択:砂泥底と岩礁の混在エリアを狙う
- エギ操作:スローなアクションとロングステイ
- アタリの判断:微細な変化を見逃さない集中力
これらのポイントを意識して釣行を重ねれば、必ずコウイカとの出会いが待っています。皆さんもぜひ、コウイカエギングの奥深い世界を体験してみてください。