はじめに:ネリゴ釣りの魅力とは
ネリゴ(カンパチの幼魚)は、夏から秋にかけてショアジギングで狙える人気ターゲットです。30cm~50cm程度のサイズながら、青物特有の強烈な引きを楽しめるため、多くのアングラーを魅了しています。成魚のカンパチと比べて警戒心が低く、ルアーへの反応も良いため、ショアジギング初心者にもおすすめの魚種です。
ネリゴの基本知識
生態と習性
ネリゴは回遊魚で、水温が上がる6月頃から沿岸部に接岸し始めます。群れで行動することが多く、小魚を追い回す習性があります。特に朝夕のマズメ時に活性が高くなり、表層付近でのライズも頻繁に見られます。

釣期とベストシーズン
- 6月~7月中旬:接岸初期、小型中心
- 7月後半~9月:最盛期、サイズアップ
- 10月~11月:後期、大型の可能性
効果的なポイント選択
地形的特徴
ネリゴを狙う際は、以下の地形的特徴を持つポイントを選びましょう:
潮通しの良い岬や磯場
潮の流れが強い場所は餌となる小魚が集まりやすく、ネリゴの回遊ルートになります。特に潮目が形成される場所は一級ポイントです。
急深なエリア
水深が急激に深くなる場所では、深場から上がってきたネリゴが表層の餌を狙います。堤防の先端部や沖に向かって伸びる岩礁帯が狙い目です。
ベイトフィッシュの存在
イワシやアジなどの小魚が群れている場所は、ネリゴの絶好のフィーディングエリアです。鳥山や水面のざわめきを見逃さないようにしましょう。
タックルセッティング
ロッド選択
推奨スペック:9.6~10.6ft、MAX80~100g
ネリゴ狙いでは、40~60gのジグを快適に扱えるロッドが理想的です。あまり硬すぎると繊細なアタリを弾いてしまうため、適度な柔軟性を持つものを選びましょう。
リール選択
推奨:4000~6000番クラス
ネリゴは意外と遠距離を泳ぎ回るため、十分な糸巻き量が必要です。ドラグ性能も重要で、急激な突っ込みに対応できる滑らかなドラグシステムを持つリールを選択しましょう。
ライン選択
メインライン:PE1.2~2号
ショックリーダー:フロロカーボン25~40lb
PEラインは伸びが少なく、遠投性能に優れています。リーダーは根ズレや歯による切れを防ぐため、適度な太さのフロロカーボンを使用します。
ルアー選択と使い分け
メタルジグ
重量:40~60g
カラー:ピンク、ブルー、シルバー系
ネリゴ狙いの基本ルアーです。フォールでのアタリが多いため、水平フォールするタイプがおすすめです。
ミノープラグ
サイズ:120~140mm
タイプ:シンキング
表層を意識したネリゴには、ミノープラグが効果的です。特に朝夕のマズメ時に威力を発揮します。
ブレードジグ
重量:30~50g
アピール力が強く、活性の低い時間帯でも反応を得やすいルアーです。リトリーブスピードを変えることで、様々な状況に対応できます。
実践的な釣り方とテクニック
基本的なアクション
ワンピッチジャーク
最も基本的なアクションで、ロッドを一回シャクリ上げる間にリールを一回転させます。ネリゴの反応を見ながら、シャクリの強弱を調整しましょう。
ストップ&ゴー
リトリーブ中に不規則にストップを入れることで、ネリゴに「逃げ惑う小魚」を演出できます。ストップ中のフォールでアタリが多発します。
時間帯別攻略法
朝マズメ(日の出前後1時間)
水面付近での活性が高い時間帯です。表層系ルアーでの攻略が効果的で、特にミノープラグでの実績が高いです。
日中
日が高くなると深場に潜る傾向があります。重めのメタルジグでボトム付近を攻めることが重要です。
夕マズメ(日の入り前後1時間)
再び表層での活性が上がります。朝と同様、表層系ルアーが有効ですが、より積極的にアピールできるブレードジグも効果的です。
よくある失敗とその対策
アタリがあるのに乗らない
ネリゴは口が小さく、フッキングが決まりにくい魚です。アタリを感じたら、即座に強くアワセるのではなく、テンションを保ちながら魚の重みを感じてからアワセましょう。
バラシが多い
ネリゴは暴れ方が激しく、バラシやすい魚です。ドラグ設定を適切に行い、魚の引きに合わせて竿を立てすぎないよう注意しましょう。
潮の変化についていけない
ネリゴは潮の流れに敏感な魚です。潮止まりの時間帯は活性が落ちるため、潮の動きを意識してポイント移動を行いましょう。
安全対策と装備
ショアジギングでは足場の良い場所での釣りが基本ですが、磯場での釣りでは以下の装備が必要です:
- ライフジャケット:必須装備
- スパイクブーツ:滑り止め効果
- 帽子・偏光グラス:紫外線対策
- タモ網:確実な取り込み
まとめ
ネリゴ釣りは、適切なポイント選択とタックルセッティング、そして基本的なアクションを身につければ、初心者でも十分に楽しめる釣りです。夏から秋にかけての最盛期には、数釣りも期待できます。
何より重要なのは、ネリゴの活性が高い時間帯を狙うことです。朝夕のマズメ時を中心に、潮の流れや気象条件を考慮しながら釣行計画を立てましょう。青物特有の強烈な引きを存分に楽しみ、ショアジギングの醍醐味を味わってください。