海水温が下がる要因は、主に以下のような環境条件と物理的な要素によって決まります。寒さ、つまり気温の低下が海水温を下げるメカニズムを解説します。
1. 寒気(低気温)の影響
• 熱放射と冷却
海面は空気と接しているため、冷たい空気にさらされると海面から熱が奪われます。気温が低いほど、海水温も徐々に下がります。特に、寒冷前線や北極からの冷たい風が吹き込むと、冷却が加速します。
• 蒸発冷却
寒い空気が海面に接触すると、海水が蒸発して周囲の熱を奪います。これも海水温低下の一因です。
2. 冷たい風の影響
風が強く吹くと、以下のような現象が起こり、海水温を下げます:
• 混合層の冷却
風が海面をかき混ぜ、表層の温かい水と下層の冷たい水を混ぜ合わせます。これにより、表層の温度が下がります。
• 冷たい風の持ち込み
高緯度地域からの寒冷な風(シベリア寒気団など)が海上を通過すると、海面温度を急速に低下させることがあります。
3. 太陽放射量の減少
冬季には日照時間が短くなり、太陽からの熱エネルギーが減少します。このため、海面が昼間に暖まる量が減り、夜間の冷却が優勢となります。
4. 海流の影響
冷たい海流が流入する地域では、外部から冷たい水が供給されるため、海水温が低下します。たとえば、北太平洋の親潮(寒流)は日本列島の東側の海水温を低下させます。
5. 氷点下でも凍りにくい理由
海水には塩分が含まれており、塩分濃度によって凍る温度(氷点)が下がります。一般的な海水の氷点は約-1.8℃です。このため、凍結せずに低温でも冷却が続く環境が生まれます。
どの程度の寒さで海水温が下がるのか?
• 海水温は急激には下がらず、大気温度が数日から数週間継続的に低い場合に影響が大きくなります。
• 一般的に、空気の温度が海面温度より10℃以上低い場合、海水温は効率的に下がると言われています。
まとめ
海水温が下がるのは、低気温、大気との熱交換、風の強さ、日射量の減少、そして海流の影響など、複合的な要因が関与しています。特に寒冷地や冬季の北半球では、これらが連動して海水温が低下します。